厳選した編集
編集とは素材を厳選し、それらに文脈を与える工程です。
では具体的にどのような編集が良い編集なのでしょうか。別の言い方をすれば、編集担当者の工夫如何でどのような影響を作品に与えられるのでしょうか。
まず、撮影された映像は撮影現場の努力の結晶ではあるのですが、それ単独では文脈を持っていません。例えば、登場人物のいる部屋の様子をまず見せてから顔のクローズアップを見せるのか、その逆の順で見せるのかで視聴者に与える印象は大きく違ってきます。そのような文脈を構築するのは多くの場合編集工程に於いてなのです。
そのような映像を繋ぐ作業に先んじで、撮影素材を厳選することも重要です。
ドラマや映画など決め打ちで撮影する作品に関しては、OKテイクとNGテイクがあらかじめ区別されている場合もあります。しかしドキュメンタリー等の場合、撮影は基本的には「数打てば当たる」方式で行われています。膨大な候補の中からOKテイクを選別する作業自体がある意味演出であり、創造的なプロセスなのです。
CGなど特殊効果に関しては別に述べますが、それ以前のベーシックな編集にもこれだけの工夫の余地があります。